特定医療法人仁真会
白鷺病院

「多様な働き方を可能にする
勤務体制」
「チーム医療の推進による
働きがいの醸成」

設立 昭和 49 年
所在地 大阪市東住吉区
病床数 92 床 (透析専門)
入院基本料 10 対 1
職員数 全職員: 219 名 / 看護職:常勤 72 名
/ 看護助手:常勤 29 名

取組のきっかけ、
取組前の問題点

 当法人は透析医療を中心とした腎・尿路系の専門病院で、患者のニーズに合わせて、外来の透析治療は朝 7 時 30 分から夜間まで対応している。そのため、職員の勤務時間配置が課題となっている。在職している看護師には子育て世代の職員もいることから、「患者のニーズに合わせた医療の提供」と「職員の希望勤務時間を考慮した多様な勤務形態の実現」の両立が求められた。
 また、職員の希望に合わせて勤務形態を多様化させる中で、夜勤の有無に限らず、早出や残業に関しても勤務可能な看護職員を配置することと、勤務形態に合わせた処遇を行うことで職員間において不公平感が出ない仕組みを構築する必要があった。

取組の体制・
中心人物

 理事長、事務長、看護部長、技術部長の執務室が同じフロアにあり、何かテーマがあればすぐに集まって話し合いができる雰囲気の中で多様な勤務体制構築の議論が進んだ。平成 23 年には労務トラブルを未然に防ぐため、就業規則改定のためのプロジェクトチームを作り、月 1~2 回程度の検討を行ってきた。プロジェクトチームのメンバーは、事務長、看護次長、技術部長、長期勤務職員、総務担当者 2 名である。

概要

 患者ニーズに合わせた医療提供体制を取り、職員満足度を向上させ、職員の定着を図るためには、職員の勤務形態に対する希望を叶え、それに応じた処遇の実施と「働きがい」の醸成が不可欠であった。

多様な働き方を可能にする勤務体制

 平成 14 年より 16 時間 30 分の夜勤体制を導入していたが、現場職員から負担が大きいとの意見があったため、平成 23 年からロング日勤を採用し、 12 時間夜勤体制へ変更した。(※1 病棟勤務時間表)
 しかし、人によっては、ロング日勤による長時間労働も厳しいとの意見があり、現在は夜勤の有無に限らず、早出や残業、配置部署等によって継続勤務が困難になる職員は申し出ることで、職員の希望に応じた勤務形態を実現している。また、勤務制限に応じて不公平感が生じないよう、勤務制限が増える毎にポイントが減少し、ポイント数によって給料額が決定される仕組みになっている。さらに、早朝勤務手当など出勤時間に応じた特殊勤務手当も勤務時間にあわせて細かく金額設定をしている。看護師長は全ての部下の希望勤務形態を把握し、シフトを組まなくてはいけないが、「職員の満足度を向上し、組織への定着を高めるためには必要なことである」という共通認識のもと取組んでいる。
病棟勤務時間表

チーム医療の推進による働きがいの醸成

 医療者として、医療の質向上は職員の「働きがい」「職場への誇り」に繋がると考え、慢性腎臓病(CKD)専門外来では一人の患者に対して「医師」「薬剤師」「管理栄養士」「看護師」がカンファレンスを開いて今後の治療方針等を検討し、チーム医療を推進している。また、リハビリスタッフを配置し透析運動療法を導入することによって 10 m歩行の時間が短縮されるなど、成果が出ることで、医療の質向上と同時に職員の働きがい向上にも繋げている。

実施後の成果や
見えてきた課題

 定量的な結果として、離職率の低下、時間外勤務の減少、有給休暇取得率の増加が実現されている。また、業務の標準化や多様な勤務体制を導入した事により、グループ施設間の異動に対する不安が減少したとの意見があり、離職率は今後も更に低下させるように努力していく。
 今後は、夜勤従事者が減少しているため、いかに人材を確保していくかが課題となっている。
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