よくあるご質問

よくいただくご質問と回答をまとめました

働き方改革

 2019年4月1日より労働基準法が改正になり、時間外労働や休日労働についても厳格化されることになりました(※中小企業については2020年4月1日より適用となります)。この改正は政府の働き方改革の一環として長時間労働の抑制と労働者の生産性の向上を目的に実施されるものです。その具体的な内容としては

〇残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別な事情がなければこれを超えることはできません。
〇臨時的な特別な事情があって労使が合意する場合(これを「特別条項」といいます)でも、以下を守らなければなりません。
 ・年間720時間以内
 ・2~6ヶ月平均で80時間以内(※休日労働を含みます)
 ・単月において100時間未満(※休日労働を含みます)
 ・月45時間を超えることができるのは年間で6ヶ月まで

なお、上記に違反した場合には、罰則を科される恐れがありますので注意が必要です(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)。
今回の改正は職員の健康管理やワーク・ライフ・バランスの観点からも大変重要な事項になります。
しっかり内容を理解した上で法律に基づいた管理をお願いいたします。

 医業に従事する医師は、時間外労働の上限規制の適用が改正法施行後5年間猶予され、5年後から適用されることになっています。
5年間は、上限規制を適用するための問題点の解決や課題の達成のために、「医師の偏在」や「地域医療提供体制」等についての検討が引き続き行われています。

 年次有給休暇が10日以上付与される職員に対し、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければなりません。
時季の指定に当たっては、職員の意見を聴取しなければならず、また、できる限り職員の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければなりません。
なお、既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している職員に対しては、時季指定をする必要はなく、また、することもできません。

 インターバル制度とは、終業の時刻から次の始業の時刻までの間に一定の時間を空けるようにする制度です。事業主の責務としてインターバル制度を含む必要な措置を講じるように努めなくてはならないと定められました。
例えば、始業が8時で終業が17時の勤務において、急な仕事が入り深夜0時まで時間外勤務をした場合、終業時刻から次の始業時刻までの間隔が8時間しかなく、通勤時間や生活時間を考えると、次の始業時刻までに十分な休息が取れません。その際に始業時間を後ろ倒しにするなどして、一定の休息時間を確保するものです。

制度導入のメリットとして
・魅力ある職場づくりにより人材確保・定着につながる
・病院の利益率や生産性を高める可能性が考えられる
・健康維持に向けた睡眠時間の確保につながる
・生活時間の確保によりワーク・ライフ・バランスの実現に資する
等がいわれています。

また、終業と始業の間の時刻(以下「インターバル」)を設定する際にも「健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定」に配慮して設定を行う必要があります。

インターバル制度で設定する時間数は、一律に定められたものはありません。

同様の制度を導入しているEUでは、EU指令において加盟国の全ての労働者に24時間ごとに最低でも連続11時間の休息期間を確保するとされています。また労働基準法の改正による、高度プロフェッショナル制度の対象労働者への健康確保のための選択的措置の1つとして、使用者は始業から24時間を経過するまでに11時間以上の継続した休息時間を確保することとされています。
これらはインターバル制度を導入する際に設定する時間数の参考になると思います。

2019年度はインターバル制度導入に関する助成金があります。
詳しくはこちらへ(厚労省の助成金ページへリンク)
時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)

労働時間

 労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間」をいうとされています。つまり、実際に業務を行っている時間はもちろん、指定の制服へ着替えることが義務付けられている場合の更衣時間や、業務を行うために待機している時間(手待時間)も含めた時間が、労働時間に該当します。
就業規則や個別の労働契約で具体的に労働時間を決めたとしても、労働時間に当たるか否かは客観的に決まるものであり、現実に使用者の指揮命令下にあって、労働者が自由に休憩等することができない時間であれば、労働時間ということになります。
また、使用者の指示を受けていない、いわゆる自発的残業についても、使用者の黙認や許容があった場合には労働時間にあたるとされており、自発的残業を労働時間としない為には、使用者は普段から自発的残業等をしないことを明確に指示し、行われている場合には中止させる等の対応を日頃から行う必要があります。ただし、残業しなければ処理しきれない業務量を与えておきながら自発的残業を禁止したとしても、形式的な指示であると判断されてしまい、労働時間に該当することとなってしまいます。

同一労働同一賃金

 今回の法改正における同一労働同一賃金の導入は、同一企業内における正職員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規職員(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。同一企業内において、正職員と非正規職員との間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止になり、裁判の際に判断基準となる「均等待遇規定」「均衡待遇規定」が法律に整備されて、2020年4月1日(中小企業への適用は2021年4月1日)より施行されます。
「均等待遇」とは、職務内容等働き方の前提条件が同じならば、同じ待遇にしなければならないという考え方であり、一方、「均衡待遇」とは、それらに違いがあるなら、その違いに応じて待遇の違いがバランスの取れたものとなっていることを求める考え方です。
また、「同一労働同一賃金ガイドライン」が策定され、同一企業・団体における正職員と非正規職員との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例が示されました。

「同一労働同一賃金ガイドライン」の概要 https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000470304.pdf
同一労働同一賃金ガイドライン(厚生労働省告示第430号) https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000469932.pdf

 2020年4月1日から、たとえパート・アルバイト(非正規職員)であっても、正職員と同一の労働であれば同一の賃金を支払わなければなりません(均等待遇)。原則として、正職員の賃金水準に合わせなければなりません。また、正職員とパート等で業務の内容及び責任の程度に差があるため、待遇差を設けている場合であっても、その待遇差は不合理なものであってはいけません(均衡待遇)。

 時間外労働における割増賃金は、「法定労働時間を超えて労働した場合」に支給が義務づけられているものであり、その要件を満たせば正職員・非正規職員に関わらず支給されるものであります。単に「正職員だから、非正規職員だから」という理由のみで割増率に差を設けている場合は不合理と判断されかねません。法定労働時間を超えて残業したという事実は、正職員であれ非正規職員であれ変わらない以上、割増率に差を設ける合理的理由は無いものと判断されてしまいます。残業を行う上で、行う業務が違い、それに伴う負荷が異なるために差を設けている場合であっても、割増賃金率に差を設けるのではなく、役職手当等、別の諸手当で差を設けたほうが良いのでないでしょうか。

 正職員と同様の出勤日が設定されているパートには、原則、正職員と同様の慶弔休暇を与えなければなりません。
ただし、正職員より労働日数が少ないことにより差を設けることは可能です。例えば、週2日のパートに対しては、勤務日の振替での対応を基本としつつ、振替が困難な場合のみ慶弔休暇を与えることは問題とならないと考えられます。

変形労働時間制

病棟で日勤や夜勤などの勤務シフトを組んで働かせる場合に、利用しやすい変形労働時間制度はどのようなものですか?

 下記のいずれかの手続きが必要です。
  ・就業規則その他これに準ずるものに「1か月単位の変形労働時間制」の内容を定める
  ・労使協定を締結する(所轄の労働基準監督署に提出が必要)

 ①あらかじめシフト表や勤務カレンダーなどで、その月の勤務シフトを具体的に定める必要があります。
②シフト表などで特定した労働日・労働時間を、任意に変更することや延長、短縮することはできません。(任意に延長した時間については時間外手当の支払いが必要となります。)
③妊産婦(妊娠中および産後1年を経過しない女性)が請求した場合は、「1か月単位の変形労働時間制」を導入していても適用除外となる為、1日8時間、1週間40時間(法定労働時間)の範囲内で勤務させなければなりません。
④育児を行なう職員、介護を行なう職員、職業訓練または教育を受ける職員、その他特別の配慮が必要な職員に対しては、必要な時間を確保できるように配慮する必要があります。

自己研鑽

1.所定労働時間内
 ①使用者に指示された勤務場所(院内等)において研鑽を行う場合、当然に労働時間 となる。
2.所定労働時間外
 ①上司の明示・暗黙の指示により行われる場合、診療等の本来業務と直接の関連性なく行われるものであっても、労働時間に該当する。
 ②研鑽が業務上必須である場合、労働時間に該当する。
 ③研鑽の不実施について、就業規則上の制裁等の不利益が課されているため、研鑽実施を余儀なくされている場合、労働時間に該当する。
 ④診療等の本来業務と直接の関連性なく、かつ、上司の明示・暗黙の指示によらずに自由な意思に基づき行われる場合、在院して行われる場合であっても、労働時間に該当しない
【例】*診療ガイドライン勉強❚新治療法や新薬勉強❚手術や処置等の予習・振返り❚シミュレーター手技練習等      *学会や外部勉強会参加・発表準備❚院内勉強会参加・発表準備❚本来業務とは区別された臨床研究に係る診療データ整理・症例報告の作成・論文執筆❚大学院受験勉強❚専門医取得や更新に係る症例報告作成・講習会受講等
 ⑤④において、診療の準備又は診療に伴う後処理として不可欠なものは、労働時間に該当する。
 ⑥手術・処置等見学中に診療を行った場合、その時間は労働時間に該当する。
 ⑦手術・処置等見学中に診療を行うことが慣習化、常態化している場合、見学時間全てが労働時間に該当する。

3.事業場における研鑽の労働時間該当性の明確化
⑴手続き☛当該医師と上司との間で次の3点の確認を行う
  ⅰ.本来業務及び本来業務に不可欠な準備・後処理のいずれにも該当しないこと。
  ⅱ 当該研鑽を行わないことについて制裁等の不利益はないこと。
  ⅲ  上司として当該研鑽を行うよう指示しておらず、かつ、当該研鑽を開始する時点において本来   
    業務及び本来業務に不可欠な準備・後処理は終了しており、本人はそれらの業務から離れてよいこと。
  ➤〈留意点:労基法109条等〉労働関係に関する重要書類は3年間保存すること。
  【例】*医師本人からの申出への確認や当該医師への指示の記録
⑵環境の整備☛当院において次の3点の環境整備を行う
        ⅰ.突発的な必要性が生じた場合を除き、診療等の通常業務への従事を指示しないこと。
          【例】❚勤務場所とは別に、労働に該当しない研鑽を行う場所を院内に設けること❚白衣を着用せずに行うこと。
  ⅱ.医療機関毎に、取扱いを明確化して書面等にて示すこと。
  ⅲ.ⅱで書面等に示したことを医師のみではなく他の職種も含めた院内職員に通知し、必要な手段の履行を確保すること。
➡出所:基発0701第9号 令和元年7月1日 
【注意】労働時間に該当するか否かは、就業規則等の定の如何によらず、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるもので、個別具体的に判断される。

副業・兼業

 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算することとされており、労働基準法の時間外労働の上限規制が適用される労働者については、副業・兼業先の労働時間も含めて、時間外・休日労働が上限を下回っている必要がある。 そのため、副業・兼業を行う医師がいる場合、当該医師の「自院での労働時間」について自院で36協定により定めた時間を超えないようにする義務があるほか、「自院での労働時間」と医師からの自己申告等により把握した「副業・兼業先での労働時間」も通算した上で、時間外・休日労働の上限を超えないようにする義務がある。

宿日直

 労働基準法上の労働時間は、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいうものとされており、仮眠時間等の実作業に従事していない不活動時間が労働基準法上の労働時間に当たるかどうかは、労働者が不活動時間に使用者の指揮命令下に置かれているものと評価することができるか否かにより、客観的に定まるとされています。つまり、不活動時間が労働から完全に解放されているといえない場合には、使用者の指揮命令下にあるといえ、労働基準法上の労働時間に当たると考えられています。
 不活動時間について、労働基準法の労働時間の適用が除外される形で医師、看護師を宿直させるには、労働基準監督署長の許可が必要とされています。ただし、宿直の時間中に行われる業務が、昼間の通常業務の延長である場合には、許可されません。
 なお、労働基準監督署長の許可を受けたとしても深夜割増賃金の支払いは必要ですからご注意ください。

〓断続的な宿日直の許可基準(医師、看護師等の場合)〓
・医師等の宿日直勤務については、前記の一般的な許可基準に関して、より具体的な判断基準が示されており、以下の全てを満たす場
合には、許可を与えるよう取り扱うこととされている。
① 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。
(通常の勤務時間が終了していたとしても、通常の勤務態様が継続している間は宿日直の許可の対象にならない。)
② 宿日直中に従事する業務は、前述の一般の宿直業務以外には、特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限ること。
例えば以下の業務等をいう。
・ 医師が、少数の要注意患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等(軽度の処置を含む。以下同じ。)や、看護師等に対する指示、確
認を行うこと
・ 医師が、外来患者の来院が通常予定されない休日・夜間(例えば非輪番日など)において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の変動
に対応するため、問診等による診察等や、看護師等に対する指示、確認を行うこと
・ 看護職員が、外来患者の来院が通常予定されない休日・夜間(例えば非輪番日など)において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の
変動に対応するため、問診等を行うことや、医師に対する報告を行うこと
・ 看護職員が、病室の定時巡回、患者の状態の変動の医師への報告、少数の要注意患者の定時検脈、検温を行うこと
③ 宿直の場合は、夜間に十分睡眠がとり得ること。
④ 上記以外に、一般の宿日直許可の際の条件を満たしていること。
※宿日直の許可は、所属診療科、職種、時間帯、業務の種類等を限って得ることも可能(深夜の時間帯のみ、病棟宿日直業務のみも可能)

 〇宿日直中に通常勤務と同態様の業務が生じてしまう場合
・宿日直中に、通常と同態様の業務(例えば突発的な事故による応急患者の診療又は入院、患者の死亡、出産等への対応など)がまれにあり得る
としても、一般的には、常態としてほとんど労働することがない勤務と認められれば、宿日直の許可は可能である(宿直の場合には、夜間に十
分な睡眠が取り得るものであることも必要。)。
・なお、許可を受けた宿日直中に、「通常と同態様の業務」をまれに行った場合、その時間については、本来の賃金(割増賃金が必要な
場合は割増賃金も)を支払う必要がある。

 ➡出所:R1基発0701第8号/S22発基17号

〓労基署提出「(様式10号)断続的な宿直又は日直勤務許可申請書」の添付資料例
 ❶ 「雇用契約書(写)」等、労働条件が明示されているもの。➡宿日直対象医師全員分
 ❷ 「シフト表」等、一定期間の宿日直勤務従事回数がわかるもの➡宿直≦週1回、日直≦月1回
 ❸ 「業務日誌」「タイムチャ-ト」等、業務発生頻度・業務内容・従事時間等がわかるもの
 ❹ 「宿日直勤務者の賃金一覧表(月額)」等、1人1日平均賃金の1/3の算定➡宿日直勤務のみの非常勤医師は除く
   ※計算例:月平均所定労働日数20日の場合
     医師A:700,000     医師B:800,000  医師C:960,000
       →13,667円以上〔(700,000+800,000+960,000)÷3÷20日×1/3)
  ❺「賃金台帳(写)」等、❹の疎明資料
  ❻病院平面図と宿直部屋の明示➡巡回がある場合、巡回順路記載
  ❼宿泊設備写真➡宿直部屋やシャワー室の写真

    参考:添付資料例
   賃金一覧表:宿日直勤務者の賃金一覧表及び記入例

勤務間インターバル等

  【1.基本的なルール】 ※義務対象はB・連携B・C水準適用対象医師。A水準適用医師については努力義務。
○連続勤務時間制限と勤務間インターバル規制は、原則として以下の2種類が設けられている(C-1水準が適用される臨床研修医を除く)。
 ❶始業から24時間以内に9時間の連続した休息時間(15時間の連続勤務時間制限):通常の日勤及び宿日直許可のある宿日直に従事する場合
 ❷始業から46時間以内に18時間の連続した休息時間(28時間の連続勤務時間制限):宿日直許可のない宿日直に従事する場合
○確実に休息を確保する観点から、9時間又は18時間の連続した休息時間は、事前に勤務シフト等で予定されたものであることを原則とする。
 ※例えば、事前に勤務シフト等で予定された休息時間が8時間であり、当日、偶々休息時間を1時間延長して9時間の連続した休息時間を確保することができた、といったケースは適当ではない。
 ※医療機関の管理者は、勤務する医師が9時間又は18時間の連続した休息時間を確保することができるように勤務シフト等を作成する必要がある。
○予定された9時間又は18時間の連続した休息時間中にやむを得ない理由により発生した労働に従事した場合は、当該労働時間に相当する時間の代償休息を事後的に付与する。 ※C―1水準適用臨床研修医への適用後述。
○宿日直許可のある宿日直に連続して9時間以上従事する場合は、9時間の連続した休息時間が確保されたものとみなし、この場合に通常の勤務時間と同態様の労働が発生した場合は、管理者は、当該労働時間に相当する時間の休息を事後的に付与する配慮義務を負う。(※) ※ 休暇の取得の呼びかけ等の休息時間を確保するための何らかの取組を行う義務が発生する。(必ずしも結果として休息時間の確保そのものが求められるものではない。)
【2.「始業」の考え方】
○連続勤務時間制限の起点となる「始業」は、事前に勤務シフト等で予定された労働の開始時とする。
 ※例えば、1日の間に短時間の休息と労働が繰り返されることが予定されている場合は、それぞれの労働の開始が「始業」扱いとなる。
【3.2種類の連続勤務時間制限と勤務間インターバル規制の関係】
○①「始業から24時間以内に9時間の連続した休息時間(15時間の連続勤務時間制限)」と、宿日直許可のない宿日直に従事する場合の②「始業から46時間以内に18時間の連続した休息時間(28時間の連続勤務時間制限)」について、①と②の間に段階的な規制の適用を行うことはない(例えば始業から16時間連続して宿日直許可のない宿日直を含む勤務を行った場合、②が適用され、次の業務の開始までに18時間の連続した休息時間が必要となる)。

➡出所:第13回医師の働き方改革の推進に関する検討会(資料1)令和3年8月4日

休憩時間

 労働時間は使用者の指揮命令下に置かれている時間ですが、休憩時間は「業務から離れることが保障されている時間」です。したがって、例えば休憩中に電話番を任されているような場合は休憩時間とは呼べません。
休憩は継続する仕事による疲労を回復させるためのものになりますので、休憩時間は自由に利用させなければいけません。ただし休憩時間中の外出を許可制にしたりすることはかまいません。
休憩時間の長さは、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、労働時間が8時間を超える場合は1時間以上が必要です。休憩をまとめてとるか分割してとるかは特に制約はありませんが、必ず労働時間の途中に与えなければいけません。

年次有給休暇

 年次有給休暇が発生するには次の2つの要件を満たす必要があります。
① 1年間継続勤務していること(初回は雇入れの日から6か月間継続勤務していること)
② 1年間の出勤率(初回は雇入れの日から6か月間の出勤率)が8割以上であること
※欠勤などが多く、出勤率の要件を満たさない場合、その年の年次有給休暇は発生しません
(例)2018年4月1日入社(上記の要件を満たしている場合)
   初回の年次有給休暇発生日(基準日):2018年10月1日
   2回目の年次有給休暇発生日(基準日):2019年10月1日
   ※その後も1年ごとに発生します

 年次有給休暇は正職員のみでなく、準職員、有期契約職員、パート・アルバイトなど勤務日数・勤務時間が少ない者であっても次のとおり発生します。
各職員の労働契約内容を見て、年次有給休暇の付与日数を確認する必要があります。

 原則として年次有給休暇は労働者の請求する時季に与えなければなりません。(時季指定権)
ただし、指定された時季に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げるような場合、事業所は休暇を他の時季に変更することができます。(時季変更権)
なお、事業の正常な運営を妨げるかどうかは、事業所の規模および業務内容、その労働者の職務内容・性質、繁忙度、代替要員確保の難しさなどを客観的・合理的に判断しなければなりません。
ご質問のようなケースでは、一方的に病院が年次有給休暇の時季変更を行うのではなく、まずは職場の状況を職員に説明したうえで、該当する職員のなかで年次有給休暇取得日の変更をできる方がいないか交渉してみることから考えてみてはいかがでしょうか。
また、労働者に対して年次有給休暇を取得したことによる不利益取扱い(賃金の減額、精皆勤手当や賞与の算定などについて年次有給休暇取得日を欠勤扱いとするなど)はしないようにしなければなりません。

 年次有給休暇は原則として1日単位で与える必要がありますので、事業所は年次有給休暇の半日単位の請求に応じる義務はありませんが、労働者からの希望に応じて半日単位で与えることも可能です。
なお、半日単位での年次有給休暇を認める場合は、半日の考え方を職場でルール化しておく必要があります。
(例)午前8時30分~午後12時 AM休
   午後1時00分~午後5時 PM休

 労使協定を締結することで、年5日を限度として時間単位で年次有給休暇を与えることが可能です。
 ※労使協定で定める内容は以下のとおりです
 ①時間単位年休の対象労働者の範囲
 ②時間単位年休の日数(5日の範囲内)
 ③時間単位年休1日の時間数
 ④1時間以外の時間を単位とする場合の時間数(例)2時間、3時間単位など

 年次有給休暇は基準日(年次有給休暇発生日)から起算して2年間で時効によって消滅します。

 年次有給休暇は、労働者の請求する日に与えるのが原則ですが、労働組合や労働者代表と労使協定を締結したときは、その労使協定で定めた日に有給休暇を与えることができます。これを「年次有給休暇の計画的付与」と言います。
計画的付与の対象となるのは、有給休暇のうち5日を超える部分です(前年度の繰り越し分を含む)。つまり、少なくとも5日は労働者が自分の都合で自由に使えるように残しておく必要があります。例えば、20日の有給休暇がある場合、15日までは計画的付与で取得する時季を定めることができます。
計画的付与の方式としては、①事業場全体を休業にする「一斉付与方式」、②部署や班ごとに交代で休業する「交代制付与方式」、③個人ごとに休業日を決める「個人別付与方式」などがあり、職場の実情に合わせて方式を定めることができます。
労使協定において、付与日を決定した後は、その日に労働させることはできませんし、付与日を変更することもできません。一度決定した付与日に、どうしても労働者を出勤させる必要が生じた場合は、労使で協議して、労使協定を締結し直すなどの対応が必要となります。
なお、今般の労働基準法の改正で、平成31年度から、有給休暇の日数が10日以上ある労働者に対しては、毎年5日は時季を指定して有給休暇を与えなければならないこととなりましたが、計画的付与で有給休暇を与えた場合には、その付与した日数の範囲で、時季を指定して有給休暇を与えなくても良いこととされています。

 年次有給休暇は、労働者の請求する日に与えるのが原則ですが、労働組合や労働者代表と労使協定を締結したときは、その労使協定で定めた日に有給休暇を与えることができます。これを「年次有給休暇の計画的付与」と言います。
計画的付与の対象となるのは、有給休暇のうち5日を超える部分です(前年度の繰り越し分を含む)。つまり、少なくとも5日は労働者が自分の都合で自由に使えるように残しておく必要があります。例えば、20日の有給休暇がある場合、15日までは計画的付与で取得する時季を定めることができます。
計画的付与の方式としては、①事業場全体を休業にする「一斉付与方式」、②部署や班ごとに交代で休業する「交代制付与方式」、③個人ごとに休業日を決める「個人別付与方式」などがあり、職場の実情に合わせて方式を定めることができます。
労使協定において、付与日を決定した後は、その日に労働させることはできませんし、付与日を変更することもできません。一度決定した付与日に、どうしても労働者を出勤させる必要が生じた場合は、労使で協議して、労使協定を締結し直すなどの対応が必要となります。
なお、今般の労働基準法の改正で、平成31年度から、有給休暇の日数が10日以上ある労働者に対しては、毎年5日は時季を指定して有給休暇を与えなければならないこととなりましたが、計画的付与で有給休暇を与えた場合には、その付与した日数の範囲で、時季を指定して有給休暇を与えなくても良いこととされています。

 年次有給休暇には「まとまった日数の休暇を与えることにより、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図る」という目的があり、有給休暇を買い上げることはこのような目的に反することから禁止とされています。
ただし、法律を上回る日数分の有給休暇を買い上げることや、2年の消滅時効により権利が消滅した有給休暇を買い上げることは問題ないとされています。
なお、このようなケースであれば有給休暇を買い上げることは問題ないとされていますが、買い上げないといけないわけではありません。

賃金

 「賃金」とは、「賃金、給料、手当、賞与その他の名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」(労働基準法第11条)とされています。具体的にどのようなものが賃金に当たるのかというと、実際に就労した労働時間に応じて支払われるものはもちろん、就業規則や労働契約等で支給条件が明確であり、労働の対価として労働者に請求権があるものは賃金に該当するものとされています。例えば、通勤手当や退職金、結婚祝金、死亡弔慰金について、就業規則等で支給条件が決められている場合には賃金となります。また、食事の提供について、①賃金の減額を伴わないこと、②食事の提供が就業規則等で定められ、明確な労働条件の内容となっていないこと、③食事の提供による利益が僅少なものであること、以上3つの要件を満たさない場合には福利厚生とはみなされず、賃金として扱うこととされています。さらに、住宅の貸与についても、貸与されない者に対して、貸与されている者とのバランスをとるために手当が支給されている場合には、賃金に該当することとなります。
しかし、支給条件が明白であっても実費弁償的な意味合いで支給される出張旅費・日当や、就業規則等に規定されていないため支給条件が不明確で、任意的・恩恵的なものとして支給される金一封等は、福利厚生として扱われ賃金には当たりません。
なお、賃金に該当するか否かと、税法上の「給与所得」に当たるか否かは取り扱いが異なりますので、注意が必要です。

 賃金の支払について以下の5つの原則があります。
 ①通貨で(通貨払いの原則)
 ②直接(直接払いの原則)
 ③全額を(全額払いの原則)
 ④毎月1回以上(毎月払いの原則)
 ⑤一定期日に(一定期日払いの原則)
 
使用者は賃金を労働者に支払う必要があります。

例えば、現在では当たり前のようになっている給与の口座振込なども、実は上記①の通貨払いの原則の例外にあたります。したがって、給与を口座振込する場合は、労働者の同意を得ること、書面による労使協定を締結していること、賃金支払日の午前10時までに払い出しまたは払い戻しができるようになっていることなど、一定の要件を満たす必要があります。

上記②の直接払いの原則では、給与を労働者本人以外の者に支払うことは禁止されており、労働者の親権者やその他の法定代理人や労働者からの委任を受けた者であっても、支払うことはできません。但し、例外として「使者」に対して支払うことは差支えないとされており、例えば、労働者が病気で給与を取りに行けない時に、その配偶者が給与を受け取りに来るようなケースが想定されます。

次に③全額払いの原則については、給与から所得税や社会保険料、雇用保険料の労働者負担分などを控除することは問題ありませんが、積立金や貸付金などを給与から控除することはできません。但し、給与控除に関して書面による労使協定を締結している場合には給与の一部を控除して支払うことが可能になります。

④の毎月払いの原則とは、月の初日から末日までの間に1回以上給与を支払う必要があることを指します。なお、給与の締切期間については月の初日から末日に限定されているわけではなく、前月16日~当月の15日までといった設定をすることは差支えありません。

⑤の一定期日払いの原則については、例えば給与支払日を「月末」と設定することは問題ありませんが、「毎月10日~15日の間で支払う」、「毎月第4金曜日に支払う」といったような、日が特定されない設定をすることはできません。なお、所定支払日が休日の場合に、その支払日を繰り上げること、もしくは繰り下げることは一定期日払いの原則には反しません。

 病院側の都合により職員を休業させた場合は、休業期間中その職員に対して、平均賃金の60%以上の手当、いわゆる「休業手当」を賃金補償として支払わなければなりません。
また、所定労働時間の一部について休業させた場合は、就労した時間に対して支払われる賃金が休業手当の金額以上であれば問題ありませんが、もし休業手当の金額未満であればその差額を支払わなければなりません。
なお、休業手当の支払が必要なのは所定労働日に休業させた場合ですので、公休日については休業手当を支払う必要はありません。

 割増賃金の基礎となる賃金は「通常の労働時間又は労働日の賃金」ですが、労働基準法第37条第5項及び同法施行規則では、割増賃金に算入しなくともよい7種類の賃金を定めています。どのようなものがあるかというと、労働とは直接関係のない個人的事情にもとづいて支払われる賃金である、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、割増賃金の計算技術上困難なものである、臨時に支払われた賃金及び1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7種類の賃金です。

これらの賃金は限定的に列挙されたものですので、「通常の労働時間又は労働日の賃金」であってこれら7種類の賃金のいずれにも該当しないものは、すべて割増賃金の算定基礎に算入しなければなりません。

「通常の労働時間又は労働日の賃金」ということでは、手術に従事した医師に対して支払われる手術手当は、割増賃金の基礎となる賃金とされています。
しかし、深夜時間帯(午後10時から午前5時)において行われる看護等の業務に従事したときに支給される夜間看護手当は、割増賃金に入れなくてもよいとされています。

また、これら7種類の賃金に該当するか否かは、名称の如何にかかわらず「実質」によって取り扱うこととされていますので、たとえ家族手当と称していても、扶養家族数に関係なく一律に支給される手当や一家を扶養する者に対し基本給に応じて支払われる手当は、本条でいう家族手当には該当しません。

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